介護は“誰かの話”じゃない
高齢化が進む今、40代・50代の働き盛り世代が直面する「親の介護問題」。
今はまだ元気な親でも、突然の介護はある日いきなりやってきます。
仕事と介護を天秤にかけて「辞めるしかない」——
そんな選択をしなくても済むように、制度が変わりました。
この記事では、前回の育児編に続き介護【6】~【9】に関する法改正ポイントを、わかりやすく解説します
【6】介護休暇の対象が拡大|非正規・短期雇用でも取得可能に!
これまで、「継続雇用期間6か月未満」の労働者は、労使協定によって介護休暇の対象外にすることが可能でした。
しかし2025年4月からは——
全ての労働者が介護休暇を取得可能になります!
項目 | 改正前 | 改正後 |
対象者 | 労使協定により6ヶ月未満の社員は除外可能 | 除外不可に(全員が対象) |
◆ どんな人が対象?
- 契約社員・パート・アルバイトでもOK
- 雇用開始から1ヶ月でも対象になる

「まだ半年も働いてないから制度使えないよね?」は、もう古い!
【7】企業に「雇用環境整備」が義務化|制度が“使える空気”をつくる時代へ
介護と仕事を両立するには、ただ制度があるだけでは不十分。
使いやすい環境がなければ、誰も声を上げられません。
そこで2025年4月からは、以下のいずれかの取り組みを企業に義務付け!
◆ 義務化された対応の例(1つ以上実施)
- 介護支援に関する研修の実施
- 相談窓口の設置(人事部や外部連携など)
- 介護休業の取得事例を社内で紹介
- 制度の存在と使い方を周知・啓発するポリシーづくり
「制度はあるけど、空気的に言いづらい」
そんな見えない壁を壊すのが、今回の改正の狙いです。
【8】介護が必要になった社員への「個別周知・意向確認」が義務化
もし社員が「家族の介護が必要になった」と申し出た場合、企業は“放置”してはいけません。
◆ 企業に求められること
- 個別に制度を説明(介護休暇、短時間勤務、テレワークなど)
- 本人の希望を確認(いつ、どの制度を使いたいか)
- 説明内容や意向確認は、書面で記録しておくのがベスト
「制度あるけど自分から聞かないと何も教えてもらえない」
→ そんな“自己責任型”の対応はもうNGです。
【9】介護のためのテレワーク導入も努力義務に
育児と同様に、介護に直面している社員もテレワークが選べるように、企業は環境整備を進める努力義務を負います。
◆ こんなケースで役立つ!
- 週に数日、病院の付き添いや手続きで時間を取られる
- 通勤1時間が体力的にも精神的にも負担
- 自宅での見守り・食事介助が必要

テレワークができるだけで、「辞めずに済んだ」「続けられる希望が持てた」という人はたくさんいるはずです。
まとめ|介護は「急にくる」からこそ、今知っておきたい
介護と仕事の両立は、ある日突然始まります。
だからこそ、今のうちから知っておき、職場に「言える」「使える」環境を整えることが大切です。
「辞めずに済む社会」へ
これまでの日本社会は、家庭のことを「個人の努力」で乗り切るのが当たり前でした。
でも、これからは違います。
制度+職場の空気+周囲の理解
この3つがそろって、初めて“誰もが安心して働き続けられる社会”が実現します。